外壁塗装 これだけは塗るな!窯業系サイディング編【滋賀県大津市にある外壁塗装店・悠陽工房】
2022/05/04
滋賀県大津市にある外壁塗装店・悠陽工房です。ブログのページに来て頂きありがとうございます。日々外壁塗装に関する内容で皆様にお役立て頂けることを目標に更新していきますのでよろしければ最後まで見てください。
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今回の内容は窯業系サイディングについてです。
現在、住宅の外壁に窯業系サイディングが広く使用されています。
「うちの家もサイディングやなー」という方も多いのではないでしょうか?
そんな窯業系サイディングですが、外壁塗装をする際に誤った塗料の選択をしたが為に取り返しがつかないことになる場合もありますのでご説明していきたいと思います。
目次
・窯業系サイディングとは
・メリット
・デメリット
・塗り替えのタイミング
・窯業系サイディングの補修
・塗り替え時の塗料選び
・最後に
・窯業系サイディングとは
窯業とは粘土や石灰石といった非金属原料を高熱処理で製造する工業で、窯を利用して製造するので窯業と言われています。
窯業系サイディングは原料にセメント質や繊維質を使ったものです。
セメントに繊維を加えることで補強効果が高まり、薄い板(14㎜が主流)でも強度が得られます。
・メリット
防火性に優れている
窯業系サイディングは耐火性能の高い素材を使っている為、基本的な防水性は高いです。
耐震性に優れている
モルタルと比べて重量が半分以下の為、地震発生時の揺れで住宅にかかる負担を軽減できます。
また脱落しにくいので、地震で剥がれた外壁材による二次災害の火災を防ぐ効果もあります。
・デメリット
サイディングボード自体に防水性がない
窯業系サイディングボードで使われているセメント質は水を吸収する性質があるため、サイディングボード自体には防水性能がありません。
そのため窯業系サイディングを施工する際は塗装による防水加工が必要です。
外壁の防水性を維持するための塗膜は経年劣化によって防水性能が低下していくため、定期的なメンテナンスが必要です。
塗膜が劣化しているのに塗り直しをしないと、サイディングボード自体が劣化して張り替えをしなければならなくなります。
サイディングボードの張り替えは塗装の塗替え以上に費用がかかりますし、外壁から住宅内部まで雨漏りが進行しているとリフォーム費用はかなり高くなるでしょう。
窯業系サイディングを外壁材に採用するのであれば、定期的に塗装を塗り替えるようにしてください。
熱を吸収しやすい
窯業系サイディングの原料であるセメント質は熱を吸収しやすい性質を持っているため、夏は蓄熱によって表面温度が非常に高くなります。
外壁が熱を持つと室温が上がってしまうため、窯業系サイディングの遮熱性は低いです。
蓄熱を防ぐには、断熱材を使うか遮熱・断熱塗料を使う必要があります。
新築や張り替えをするなら断熱材を施工し、塗装の塗り替えであれば遮熱・断熱性能を持つ塗料を使うようにしましょう。
コーキング(シーリング)のメンテナンスが必要
コーキング(シーリング)というのは外壁材の目地や隙間を埋めるために合成樹脂などを充填することです。
コーキングを施すことで目地から雨が入り込むのを防ぎます。
コーキングは経年劣化するため定期的にメンテナンスをしなければなりません。
サイディングボード自体が劣化していなくてもコーキングにひび割れや破損といった症状が現れると補修をする必要があります。
塗装の塗り替えと合わせてコーキングのメンテナンスの手間がかかるのが窯業系サイディングのひとつのデメリットと言えるでしょう。
・塗り替えのタイミング
外壁に苔や藻、カビが発生していませんか?
苔や藻、カビは水気がなければ生えることができません。
外壁表面の塗膜の防水性能が落ちており、水切れが悪くなっている可能性があります。
つまり劣化が始まっているということです。
コーキング(シーリング)に汚れがついていたり、割れていませんか?
コーキング(シーリング)はサイディングボードの収縮や膨張に対応する為のものです。
また、継ぎ目から雨水が侵入することを防ぐ役割もあります。
コーキング(シーリング)が劣化してダメになってしまうとサイディングボードの収縮や膨張に対応できず、ひび割れなどに繋がります。
色あせ・チョーキング現象が発生していませんか?
色あせは塗膜が傷んでいる証拠です。
チョーキング現象は塗膜が紫外線により分解していった結果です。
色あせ・チョーキング現象が見られたら防水性は落ちています。
塗り替えをおすすめします。
サイディングボードが反り上がっていませんか?
サイディングボードは防水性が落ちていき、水が染み込んだ状態になると乾燥した状態と比べて体積が膨張します。
日中は太陽光によって外側から乾かされるため、湿っている内側は膨張したまま、外側は乾燥して元の大きさに戻ります。
外側と内側の体積差でひずみ、徐々に反っていくのです。
反りが出てくるとそこに隙間ができますから、ますます雨水が入り込みやすくなります。
雨水が入り込みやすくなると今度は別の部分のサイディングボードに染み込むのでそこも反ってしまいます。
反りがひどい場合は一部張り替えを提案するかもしれません。
費用もかさむのでそうなる前に外壁塗装を検討してください。
ひび割れていませんか?
上記のように反りなどの変形が生じると固定しているビスや釘などの部分に無理な力がかかり、ひび(クラック)が入ることがあります。
反りや変形が大きくなると、ひびも大きくなり、割れてしまうことがあります。
また、水が染み込んだ状態で気温が下がると、水分が凍結し、凍害で割れてしまうこともあります。
どんな建材にも言えることですが、水分を染み込ませることは劣化を早めてしまう原因になります。
早急にメンテナンスを検討してください。
・窯業系サイディングの補修
外壁表面の苔や藻、カビを落とす
外壁を洗うことによって苔や藻、カビを落としていきます。
ご家庭でも台所の中性洗剤を柔らかいスポンジに含ませて優しく擦ってあげることでメンテナンス可能です。
その後は水で洗い流して軽く拭き取ってください。
注意点として、酸性やアルカリ性の洗剤は使わないでください。
サイディングボードの色落ちの恐れなどがあります。
次にご家庭用の高圧洗浄機をお持ちの方は強い水圧で洗い流したくなると思いますが、やめてください。
汚れは落ちますがそれと同時に塗膜を傷めてしまう恐れがあります。
塗膜が傷んでしまえばまた苔や藻、カビの繁殖に繋がり悪循環になってしまいます。
コーキング(シーリング)の打ち替え
傷んだコーキング(シーリング)を取り除き、新しいものへ打ち替えます。
見栄えを気にしなければ業者にお願いしなくてもご自身でできますが、高所作業は危険も伴うので業者に任せるのがいいでしょう。
業者にお願いする際は足場を仮設するので、そのタイミングで塗装を同時にすることをおすすめします。
足場の仮設を1度にまとめることで費用を節約できます。
サイディングの一部固定又は張り替え
サイディングの反りが少ない場合は釘やビスを増し打ちして反り矯正することも可能ですが、余計な力がかかるため、ひびが入ってしまったり、割れてしまうこともあります。
反りが大きい場合はその部分だけ新しいものへと交換する方法もあります(できない場合もあります)。
この場合、同じ色を選択しても取り替えた部分とこれまでの部分の色が違い、目立ってしまいますので、同時に外壁塗装することをおすすめします。
ひび割れの補修
ひび割れが軽微な場合はパテなどで補修します。
ひび割れは発生した場所によってカットしたり、穴を開けたりしてパテを盛り込み、それ以上クラックが進行しないようにします。
パテで補修した後が目立つので、この後は外壁塗装をする必要があります。
上記の反りもそうですが、補修する分どうしても費用がかさみます。
また見栄えの面でも塗装工事を先延ばしにしてのメリットはありません。
早めの外壁塗装を検討してください。
・塗り替え時の塗料選び
いま世の中には溢れ返るくらいの塗料が出回っています。
すべてを説明することはさすがに難しいので、今回はどのような塗料がサイディングボードに不適切で、どのような塗料が適切なのかをご説明します。
サイディングに不適切な塗料
セラミック塗料(石調塗料とも言われます)はサイディングには塗らないほうがいいです。
セラミック塗料は石とか砂を糊で混ぜたものを外壁に吹き付けていくのですが、防水性能や撥水性能は上のクリア塗膜に依存します。
クリア塗膜が劣化すると苔などの汚れが目立つので定期的なクリア塗装が必要です。
また糊の部分が劣化すると外壁からポロポロと剥がれ落ちていきます。
そして厄介なのが、次回の塗装です。
サイディングボードにはコーキング(シーリング)がありますがその上のセラミック塗料が硬すぎてコーキング(シーリング)が撤去できない可能性があります。
セラミック塗料は塗らないほうが賢明だと言えます。
適切な塗料
上記でご説明しましたが、熱を吸収しやすいという弱点があります。
それ補う為に遮熱塗料や断熱塗料は相性が良いです。
またサイディングボード自体に防水性がない為、水分湿気にはかなり弱いです。
そこで透湿性が高い塗料も相性がいいと言えます。
・最後に
サイディングボードに限らず相性がいい塗料、相性がよくない塗料はあります。
もちろん塗料も安いにこしたことはありませんが安ければいいというものでもないです。
お住まいの立地条件や工法、環境を考えて塗料の選択をして頂き、いい外壁塗装にして頂ければと思います。